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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-302

須藤眞一郎行政書士事務所気付

2015年コムスタカ活動報告Activity report 2010

2016年4月23日 中島 眞一郎(コムスタカ−外国人と共に生きる会代表)

はじめに
 2015年を振り返ってみると、外国籍住民からの相談が、2014年よりも増加してきたこと、相談者の国籍が多国籍化しより多様化してきたことが、まずあげられます

1.相談活動
@ 相談件数
 2015年 電話での相談は、延べ900〜1000件に及びますが、相談の解決へ向け取り組んだのは、254件です。 電話のみの対応154件、面談82件(うち同行・支援をおこなったケースは18件)でした。

A 性別等
 79%(200件)が移住女性、16%(40件)が子どもの問題(国籍取得、認知、養育費請求など)、6%(14件)が移住男性の問題でした。

B 国籍別
 フィリピン籍からの相談が56%(143件)と一番多く、二番目が中国籍の22%(57件)、日本人からの外国人に関する相談13%(33件)その他の国籍が、8%(21件)インドネシア、パキスタン、ベトナム、ナイジェリア、ペルー、フランス、アメリカ、イギリスなど相談者の国籍も11カ国と多様化しています。

C 地域別
 熊本県内が、83%(210件)熊本県外17%(44件)でした。熊本県外の内訳は、九州内11%(28件)九州外6%(16件)、海外0%(0件)

D 相談内容
 相談の主訴別では、在留資格の相談31%(80件)。夫婦関係に関する相談19%(43件)、子どもに関する相談16%(40件)の順です。 在留資格(ビザ)をめぐる相談が最も多いのですが、その中には在留資格を喪失し、非正規滞在者となった外国人に関する相談、次に夫婦関係の破綻に伴う相談が多いのですが、その中にはDVの伴う相談、フィリピン女性の重婚に伴う相談、離婚や子の親権や養育費などの裁判所での調停や訴訟が伴う相談(そのなかには弁護士を代理人とした日本人夫から外国人妻などが訴えられるケースの相談)も増えてきました。 技能実習生からの相談、さらに、外国人が逮捕された場合のその家族や関係者からの相談など、解決へ向け複雑化や難度の高い相談が増えてきました。

E 訴訟等の伴う相談
 2015年に、婚姻費用、子の面会交流、養育費、親子関係不存在、離婚、戸籍訂正許可、検察庁の不起訴処分への検察審査会への申立など裁判所での調停や訴訟支援をした係争中のケースは9件(うち弁護士を代理人とした日本人夫等から訴えられた相談が2件)でした

 

2. ヘイトスピーチをなくすための活動
 2015年は、熊本県内の地方議会、「ヘイトスピーチ対策について、強化策を求める」意見書など採択へむけコムスタカとして陳情書の提出など働きかけをしました。  2015年12月末現在、熊本県議会、熊本市議会等熊本県内45地方議会のうち9地方議会で、意見書が採択されました。

 

3. 啓発のための活動
 昨年2015年は、コムスタカー外国人と共に生きる会の発足した1985年から30周年を迎えました。 結成30周年を記念して、3つの企画を熊本市国際交流会館にて行い、延べ300人近くの参加がありました。
 7月19日に、「コムスタカセミナー 外国人政策・ハーグ条約・入管法改定」を、主に在住外国人を対象に企画しました。 講師は、佐久間より子さんが「ハーグ条約の報告」を、私が「改定入管法と日本の外国人政策」の報告をしました。 主催者側の予想としては、約80名定員の会場に100名を超え、そのうちフィリピンや中国、韓国など外国籍が8割以上という盛況となりました。
 9月6日に、コムスタカ創立者ポール・マッカーテイン神父を迎えて、「コムスタカ レセプション」を、主にコムスタカの会員や事務局関係者やカトリック信徒などを対象に企画しました。 当日は、50名を超える参加がありました。コムスタカレセプションは、コムスタカの30年の歩みを振り返りながら、貧者や困難な問題を抱えた人に寄り添い、その問題解決に向け実践していくというコムスタカの原点を再確認する場になったと思います。
 10月4日に、講師に辛淑玉さんを迎えて、「コムスタカ結成30周年記念講演会 多文化共生社会をめざして」として、主に市民や学生を対象に企画しました。 当日は、130名を超える参加ありました。コムスタカ代表の私が、「コムスタカ30年の歩み」を30分ほど報告し、辛淑玉さんが、「こんな社会に行きたいな、こんな社会を作りたいな、つくろうよ」とテーマに90分の講演がありました。


4. コムスタカ関係機関への参加

  
  • 2月6日  熊本県主催 DV被害者相談実務担当者研修会 県庁地下会議室(講師 戒能民江 コムスタカより2名参加)
  • 3月6日 第十七回 福岡入管との意見交換会(コムスタカより3名参加)
  • 6月3日 熊本県DV対策連絡会議  (コムスタカとして質問と要望書提出)
  • 6月13−14日移住労働者と連帯する全国フォーラムIN関門2015(北九州市八幡西区 九州朝鮮中高級学校)への参加、全国から350名以上(コムスタカから4名参加)
  • 7月7日 熊本市DV防止ネットワーク会議参加(コムスタカとしての質問と要望書提出)
  • 9月2日 熊本県DV対策関係機関第一回実務者会議
  • 12月3日 第11回移住労働者と共に生きるネットワーク九州と大村入国管理センターとの意見交換会、九州各地から27名(コムスタカから5名参加)
     

5. 外国籍住民への施策の提言活動      
 行政への提言として、六月の熊本県DV対策連絡会議で、@外国人DV被害者向けの説明文やリーフレット等の多言語化、ADV対策でのDV加害者への介入施策の導入、B外国籍住民への家庭裁判所での通訳サービスの提言を行いました。@については、熊本県制作で10ヶ国語の多言語DVリーフレットが作成されました。Aについても、DV加害者対策を含む新たなDV被害者支援策を、DV対策の実務者会議を設置し、具体的な検討が始まり、2016年度から具体化する方向で予算措置を含めた取り組みがなされています。  
 人身取引問題では、6月3日に熊本県警生活環境課へ人身取引問題の質問と要望書を提出し、福岡県で設置されている関係機関による人身取引対策連絡協議会の設置を要望しました。また、コムスタカが、男性やLGBT(セクシャルマイノリテイ)のための保護施設や全額公費による民間委託の実施を訴えてきましたが、法務省は人権擁護機関が緊急措置として人身取引被害者(男性を含む)の宿泊施設の提供を、2015年10月1日から開始しています。  
 入管行政をめぐっては、コムスタカが主張してきた大村入国管理センターを廃止し、難民等の定住化促進センターへの転換は、実現していませんが、2015年9月30日で、西日本入国管理センターが廃止されました。全国に三ヶ所あった入国管理センターは、大村入国管理センターと東日本入国管理センターの二つとなります。(被収容外国人が10年前の5%に激減する状況が背景にあります)。

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