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コムスタカ―外国人と共に生きる会 Kumustaka-Association for Living Togehte with Migrants

〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目2-14-402

須藤眞一郎行政書士事務所気付

福岡入管との意見交換会Meeting with Fukuoka Immigration

第21回 移住労働者と共に生きるネットワーク九州と福岡入管との意見交換会報告

中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

はじめに

 移住労働者と共に生きるネットワーク・九州と福岡入管との第21回意見交換会は、2019年3月5日(火)午後1時30分から午後3時過ぎまで、福岡入管7階会議室で行われました。 福岡入管側から、実務担当者5名(入国審査部門、在留審査部門、警備部門、審判部門の統括審査官)が出席し、総務課の渉外調整官1名の計6名(女性が3名)が出席しました。 また、移住労働者と共に生きるネットワーク・九州及びその関係者から17名が参加しました。

 最初に入管職員の自己紹介が行われ、2019年1月中にネットワーク九州事務局が事前に福岡入管に文書で提出していた質問書(T 入管業務に関する質問、U 改定入管法・技能実習法等に関する質問、V 統計数値に関する質問、小項目総計42項目)に対する回答の説明が約40分間ありました。 また、移住労働者と共に生きるネットワーク・九州から法務大臣と福岡入国管理局長あて9項目(小項目総計では25項目)の要請書を事前に提出していましたが、こちらへの入管側の回答はありませんでした。 その後、福岡入管からの回答に対して、多岐にわたる質疑が約1時間行われました。 入管との意見交換会終了後、近くの会場で、参加者との交流会が1時間、その後ネットワーク九州の事務局会議が午後6時過ぎまで行われました。 今年は例年以上に入管からの回答もより詳細で、質疑応答でもより深い丁寧な回答がなされた印象を受けました。

 以下、福岡入管への質問と回答及び質疑の中で重要と思えるものに関して報告します。

1.日本語学校の留学生について

 福岡局管内の日本語教育機関からの在籍者数は約1万人(国籍別ではベトナム、ネパール、中国の順です。)

 日本語学校の留学生の人権問題について、昨年以上に補足説明がなされ、悪質な本国の仲介機関や受け入れ機関である日本語学校や専門学校への規制強化の方針が示され、また、「留学生の日本語学校等の退学が、留学生の在留資格の喪失を直ちに意味するものでないこと」や、週28時間の制限を超えてアルバイトした留学生についても、「それだけの理由だけで在留期間更新を不許可にせず指導すること」など留学生の人権に配慮した回答が見られました。 なお口頭での関連質問「週28時間の制限を超えてアルバイトした家族滞在の在留資格の期間更新の扱いについて」も、「同様に扱う」という回答でした。

2.技能実習生の人権問題について

 技能実習生数は、福岡局管内で、2016年12月末に22670人、2017年12月末に29067人、2018年6月末に30340人と3万人を越え増加し続けています。

 昨年の回答にあった、技能実習生が実習中に日本人等と婚姻した場合在留資格の変更が認められるかという質問について再度確認したところ、「一旦帰国せずに、日本人配偶者等や永住者の配偶者等の在留資格の変更は可能。 その場合に、技能実習期間中の技能実習生であることのみを理由に、在留資格の変更が認められないことはない。」という回答でした。

 技能実習生の失踪数については、2018年は集計中として回答されず、他の質問も、集計していないとの回答でした。2016年の改定入管法や外国人技能実習法の成立以降、技能実習生に関する問題の権限が入管から外国人技能実習機構に移っているため、今後は、技能実習生についての問題は、外国人技能実習機構との意見交換会を行う必要があると思いました。

3 統計数値等に関する回答―外国人への規制の強化の動き

 統計数値に関する回答で目立ったのが、福岡入管による非正規滞在の外国人への取り締まり強化の動きでした。 在留資格の取り消し件数は、2017年8名から2018年28名に急増していました。 また、非正規滞在者への摘発件数・人員数は、2017年81件、89人から、2018年159件、142人へと増加していました。 退去強制者数も、2016年210件、2017年261件、2018年374件と増加していました。 福岡入管の収容施設から他のセンターや局などへ移送された外国人女性の人数も2016年0名、2017年0名から2018年3名になっていました。

 一方、在留特別許可者数は、2016年29件、2017年35件から、2018年22件へと減少し、仮放免許可者数も、2016年12名、2017年12名から、2018年3名に減少していました。

 福岡入管の職員数は、2017年度465名から2018年度548名と83名の増加で、出入国審査を行う空港等への増員とのことでした。

4.在留外国人への管理強化進む入管行政

 2019年4月から、「特定技能」等の新たな在留資格を創設し、外国人労働者の受け入れを一部拡充する改定入国管理難民認定法が施行されました。 その一方で、入国管理局は、出入国在留管理庁となり、非正規滞在外国人の取り締まりが強化されたり、在留特別許可の要件が厳しくしたり、仮放免許可条件を厳格化して、締め付けを厳しくしています。 そればかりか、適法に在留する外国人に対しても、永住許可の要件、在留資格の変更の要件など厳しくしています。 国内の労働力不足という経営者の要望に応える一方、在留外国人への締め付けが厳しくなっています。

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