コムスタカからも、熊本市に要望し続けてきた、

熊本市営住宅のDV被害者のための目的外使用が

201141日から始まりました。

  2011年4月1日  中島 真一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)

 

 

 2011年4月1日から、熊本市は、市営住宅のDV被害者への一時使用許可

(目的外使用)を認める運用を始めました。

 

   提供戸数   、熊本市営住宅  1地区内の3戸。

   入居資格者は 

 

1、DV防止法の一時保護、母子生活支援施設での保護が終了した日

から起算して5年が経過していない方、

 2、裁判所の保護命令の申し立てを行いその効力が生じた日から

起算して5年を経過していない方、

 

入居期間は   1年以内(ただし、特別の事情がある場合には1年以内の

更新を限度に認められる場合もある)

 使用料、   公営住宅法施行令にもとづいて、算定した使用料相当額、

敷金なし、駐車場、空き区画があり、使用を希望する場合1区画 

月2000円、その他、退去時の修繕費は原則無料とする。

(ただし、使用者の過失による場合には使用者の責任で修繕し、その費用を負担する。)

 

コメント

 

 2007年度から熊本県営住宅のDV被害者のための目的外使用(1戸、1年以内)がはじまりました。

2007年度、2008年度2年間はそれを利用したのは外国籍のDV被害者でした.

 

公営住宅のDV被害者のための目的外使用は、国籍を問わず対象となるので、外国籍被害者のために

特に設けられた施策ではありませんが、日本に実家がなく、頼れる親族が少ない外国籍のDV被害者は、

日本人夫の家からでた後に、資力の少ない場合には、住むところがなく、

民間アパートや公営住宅に入居できるまでのつなぎの施策が切実に求められていました。

 

 2010年度から熊本県は、県営住宅のDV被害者への目的外使用のための

複数化(4地区  最大7戸)になりました。熊本市は、2011年度からの提供で3戸からはじまります。

 

県営住宅のDV被害者への目的外使用の場合、指定された団地では敷金は無料でも退去時にすべて畳替えふすま替え

が規則で義務付けられていたため、10万円前後の退去費用が生じていたことにくらべ、熊本市が敷金だけでなく

退去時の修繕費を原則無料としたことは評価できます。

これらを利用できるのが、一時避難所に保護された被害者、あるいは、母子支援施設で保護された被害者、 

DV保護命令を申立がとめられた被害者などの要件があるため、

それに該当しないDV被害者は利用できないという制約があります。

 

  それでも、熊本県内で、2011年度から県営住宅と市営住宅と合わせて最大年間10戸のDV被害者が

自立していくステップとしての公営住宅の利用(期間1年間)が可能となってきました。以前は、公的施設として

、一時避難所(原則2−3週間)と子ども連れの場合の母子自立支援施設しかありませんでしたが、

一時避難所(期間 原則 2−3週間)、子どもがいる場合の母子自立支援施設、ステップハウス(

原則3か月から6か月、家賃無料 )、公営住宅の目的外使用(期間原則1年間 有料)と住居に関して

、DV被害者の自立のための公的施設が拡充されてきました。

 

 コムスタカとして、これらの公的な施設や施策を活用しながら、 DV被害者が、

住み慣れた地域から離れずに、自立した生活を築くことができ、かつ、加害者に対してその刑事責任や

民事責任、子どもの養育責任をはたさせることができる解決の在り方を目指していきたいと考えています。

 

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